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NST
(栄養サポートチーム)
NST
(栄養サポートチーム)

NST(栄養サポートチーム)活動について


NST(栄養サポートチーム)とはどのようなものですか?

患者さまが病院に入院・通院される第一の目的は、当然病気やケガを治すことですが、栄養状態が悪いと治療の妨げとなり回復が遅れます。

そこで、病気の治療と並行して、患者さまの栄養評価と管理を行うために、当院では、平成18年6月より、NSTを作りました。

NSTとは、Nutrition Support Teamの頭文字をとった略称で、日本語では栄養サポートチームといいます。

栄養サポートチーム 医師をはじめとし、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師、作業療法士など医療スタッフ総勢26名がチームを組み、すべての職種がかかわってそれぞれの知識や技術を出し合い、ひとりひとりの患者さまの栄養状態をチェックし、その人に合った食事や栄養剤の提供を行っています。

日本静脈経腸栄養学会 栄養サポートチーム専門療法士認定教育施設 施設認定
日本静脈経腸栄養学会 NST稼動認定施設

第4回道北ブロックNST研究会(2007/9/21)で発表した

「NST活動を成功に導くための工夫と課題」
士別市立病院 薬剤師 大塚雄一郎

の抄録が、「静脈経腸栄養 J・JSPEN」Vol.23 No.2(通巻57号)に掲載されました。

日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)

第1回上川北部PDNセミナー(2008/7/5)の中で、

「当院における口腔ケアと嚥下訓練」
士別市立病院 作業療法士 森悠亮

の講演がありました。

PDF:1.61MB

栄養が足りないとどうなるの?

栄養状態が悪いと、患者さまにとって次のような不都合が生じます。

病気に対する抵抗力が弱くなる

病気にかかりやすい

二つ以上の病気にかかりやすい

傷が治りにくい

入院期間が長くなる

筋力が低下し、日常生活が難しくなる

すべてが起こるわけではなく、個人差もありますが、このようなことが起こりやすくなると考えられています。

特に高齢者においては、栄養不良が続くと、先のような状況になる可能性が大きく、健康な成人や子供、乳幼児にも同じことがいえます。

人間が生きていくためにはタンパク質、脂肪、糖質、ビタミン、ミネラルという栄養素は不可欠です。

熱や下痢などの症状があれば水分もより多く必要です。

手術の傷や怪我を修復する力、細菌やウイルスをやっつける免疫力を高めるためには、良質なタンパク質(アミノ酸)を十分に補給しなくてはなりません。

床すれなどの治療には、亜鉛などの微量元素も重要な栄養素です。

糖尿病の方には、血糖の上昇に注意しながらの栄養補給を考える必要があります。


当院におけるNST活動
NST回診
NST回診

当院では、平成17年10月にNST設立準備委員会を立ち上げ、約半年間、基礎作りを行い、平成18年6月から本格的に患者さまを対象とした活動を開始しました。

実際には、主治医からNSTの介入を依頼されたり、入院中の生活状態をみている看護師から栄養管理について相談されたりすることもあります。

NSTでは、平日ほぼ毎日、患者さま1〜3名の回診を行っています。

患者さまのベッドサイドにNSTメンバー(4〜5名)が伺い、お体の状態や食事の摂取状況を診ています。

そして、必要な栄養量を計算し、患者さまの力をできる限りいかした栄養療法を考えます。

また、回診の結果で、十分にお食事が召し上がれない患者さまには、栄養補助食品や、食べやすい形のお食事への変更をアドバイス したり、食べることが難しい患者さまには点滴の量が適切かなどについて考え、栄養状態の改善をはかっています。

初めて回診をした後も、定期的に回診が行なわれ、栄養状態を観察していきます。

「病気を診るのではなく患者さまを診よ」とは、医療の現場でよく言われる言葉ですが、これを実践するのは、そう簡単なことではありません。

この点、NST的視点は常に患者さまを全人的に診察しようというところにあり、栄養管理は、すべての患者さまに共通した最も基本的な医療の一つと考えることができます。


栄養療法ってなぁに?

栄養療法とは『体に必要な栄養を投与すること』です。

さらに、栄養療法の中で、特に病気のために口から食事がとれないときや、食事をとっても上手く代謝できずに栄養が不足するときなどには、

(1)

栄養を摂取する方法を変える

(2)

栄養を摂取する量や内容を変える

ことを行います。

(1)の方法のひとつは、いわゆる点滴と呼ばれるもので、専門的には静脈栄養といいます。

もうひとつは、鼻やお腹につけたチューブから胃や腸に直接栄養を送り込む方法で、経腸栄養といいます。

(2)の内容については、その方の年齢、身長、体重、病気の影響などを考えて、個人にあった栄養を考えていきます。

最近は新しい輸液剤や栄養剤などが開発され、より細かい使い分けができるようになりました。


食べられなくなった人ほど、お口のケアが必要です!

勉強会
勉強会
勉強会

脳梗塞(こうそく)などで、食物や水分を飲み込む嚥下(えんげ)機能が低下し、腹部に開けた穴から管で栄養剤を胃に直接入れる「胃ろう」などを設けた患者さまは、十分な口腔ケアを行っていないと、歯周病菌などの細菌が増殖することがあります。

また、口を使わないと唾液(だえき)が減り、口腔内の殺菌力が弱まり、さらに歯ぐきが細り、粘膜の抵抗力が落ちます。

食物を取らない人の口を放置すると、数週間で舌がカビで覆われます。

特に高齢者では、これらのカビや細菌が気管に入ると、致命的な肺炎につながりかねないことがあります。

こうした「誤嚥性肺炎」を防ぐため、当院ではNST回診で、患者さまの口腔ケアについて、現場のスタッフにアドバイスし、実行しています。

また、スタッフの技術を上げるために、院内の勉強会を行なったりしています。

さらに、口を閉じたり、ほおをマッサージしたりする嚥下機能訓練を提案したり、誤嚥を起こしにくい食事の工夫を検討したりしています。


今後の可能性と課題

高齢化社会において、栄養状態が良くなり、日常生活の活動性を一段落でも上げることができれば、介護の必要や家族の負担が軽減すると考えられます。

患者さまや家族の信頼を得て、より良い栄養療法を提供できるように、今後は、病院内のチーム医療にのみ限らず、在宅介護施設や老人福祉施設などと連携することで、地域医療一体型のNSTの構築にも貢献していきたいと考えています。

また、当院は平成19年3月、日本静脈経腸栄養学会の「栄養サポートチーム(NST)専門療法士取得に関わる実地修練施設」として認定されました。

現在、NST専門療法士をめざす栄養士、薬剤師、看護師および臨床検査技師を対象に院内・外からの研修を受け入れるための準備を進めています。

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